形井先生の「お灸で妊活」のすすめ 第1弾

 『東洋医学の視点で「お灸で妊活」とは 』を筑波技術大学名誉教授、医学博士・形井秀一先生におききしました。
 妊活の前提は、まず、健康なカラダづくりへの取り組みが第一。そのために、日々のセルフケアにお灸を、とのお話がいっぱいです。

「妊活とは健康なカラダづくり」

なぜ妊活が必要なのか

 どうしても、妊活=不妊治療と考える人が多いのですが、妊活とは、妊娠についての知識を身につけ、日々の生活をチェックして、体質改善をはかりながら、妊娠力を高めてゆく活動のことです。
 東洋医学的な考え方からすると、まず、健康なカラダをどうつくるかということが大きなベースになります。
日々の活動のチカラをレベルアップし、その人の健康度をアップしていく生活が大切とされています。
 そして、そのような生活の中で、東洋医学的に考えると、妊娠しにくいことの原因がいくつか考えられます。

原因その1 “カラダを冷やす”

 1つ目は今、私たちの生活をとりまく様々な環境の問題です。私たちをとりまく環境は、便利になった一方、私たちの健康生活に対してマイナスに働く面もあります。
 なかでも、妊娠しにくいということに関していえば、まず「冷え」の問題があげられます。
 冷えというと寒さが考えられますが、今の時代、ファッションを気にして、薄着で過ごすとか、夏でも人工的に冷房を強くして暮らすとか、冬になっても夏に食べるような冷たいモノを食べるとか、そのようなことがあたりまえになっています。その結果、男性も含めて現代人はカラダが冷えやすくなっています。
 その冷えがまず、妊娠しにくい要因としてあげられます。

原因その2 “ストレス社会”

 2つ目としては、私たちのカラダの内部の問題です。東洋医学的には内因、つまり、精神的、感情的な問題です。
 今の時代はストレス社会といわれていますが、心理的ストレスの影響については、東洋医学は、2000年以上前から指摘していることです。
 東洋医学では、病気の原因の大きな要因として、感情や精神作用があり、それらがマイナスに影響することによって、カラダの機能が低下すると考えてきました。
 そして、そのカラダの機能回復の治療にお灸も使われてきたのです。
 お灸には、ストレスを解消する働きがあり、お灸の煙が精神を安定させる、気持ちを静めるということもいわれています。また、自分でお灸をする、治療院で治療するということは、自分のカラダについて見つめなおし、考えるチャンスにもなりますので、心の問題、精神的な問題解決に、お灸は活用されてきたのです。

原因その3 “血流が悪い”

 そして、3つ目に考えられるのは、東洋医学的には「血流の悪さ」があげられます。
 専門的には、「瘀血(おけつ)※」や「血瘀(けつお)※」と呼ばれますが、血流の悪さは妊娠しにくい大きな要因となるのです。
 それに対して、お灸はとても効果的です。
 足にお灸をすると、下腹部の血流がよくなって、子宮への血流も増えてきます。また、腰の仙骨部にお灸や鍼をすることで、自律神経反射により、子宮や卵巣など生殖部の血流の状態が改善するといった研究も行われています。
 足にお灸する、お腹に、腰に、お灸することが、カラダの改善につながり、妊娠しやすいカラダづくりにつながっていくので、お灸は妊活におすすめなのです。
※「瘀血(おけつ)」「血瘀(けつお)」;血流の流れが悪くなり、とどこおっている状態のこと。

形井先生おすすめ“妊活のツボ”
足のツボ
三陰交

女性にとって定番のツボ

●ツボのとり方

 内くるぶしのいちばん高いところに小指の外側のフチをおき、指を4本そろえて、人さし指の内側のフチがあたっている脛骨(けいこつ)(すねの骨)の後のところが、三陰交です。

復溜

冷え、むくみ改善のツボ

●ツボのとり方

 内くるぶしのいちばん高いところに薬指の外側のフチをおき、指を3本そろえて、人さし指の内側のフチで、アキレス健とすねの骨の間の真中が、復溜です。

足三里

胃腸の働きを高めるツボ

●ツボのとり方

ひざのお皿のすぐ下、外側のくぼみに人さし指の内側のフチをおき、指を4本そろえて小指の外側のフチがあたっている高さで、すねの骨の外方1cmくらいのところが、足三里です。

お腹のツボ
中極

生殖器系をととのえるツボ

●ツボのとり方

 指を5本そろえて、親指の外側のフチをおへその中央におき、小指の外側のフチがカラダの中心線に当たるところが、中極です。

腰のツボ
次髎

仙骨にある八髎穴(はちりょうけつ)の中のツボ

●ツボのとり方

 おしりの真ん中にある骨が仙骨です。仙骨の左右の4つのくぼみのうち、上から二番目のくぼみが次髎です。次髎は、後上腸骨棘(触れると骨が丸くとび出ている)という骨の下縁を結んだ線上にあります。

次髎

仙骨にある八髎穴(はちりょうけつ)の中のツボ

●ツボのとり方

 おしりの真ん中にある骨が仙骨です。仙骨の左右の4つのくぼみのうち、上から三番目のくぼみが中髎です。中髎は、次髎の下方、指1本分程下がったところにあります。

原因その3 “血流が悪い”

これらのツボは、妊活のためというだけでなく、
女性の生殖器全体の機能をレベルアップして、
女性の健康状態を高めるツボですから
是非活用してください。

監修
形井 秀一(かたい しゅういち)


筑波技術大学名誉教授、医学博士、WFAS(世界鍼灸学会連合会)副会長。
日本伝統鍼灸学会前会長、全日本鍼灸学会参与、
WHO経穴部位国際標準化会議(2003年〜2006年)日本代表。
洞峰パーク鍼灸院・院長
http://www.k.tsukuba-tech.ac.jp/cl/
http://www.doho-acu-moxa.com/